愛飲家からすれば、そのウイスキーの輸入元がどこなのかはそう気にすることではないかもしれない。正規のルートで輸入されたものなら中身が違うことはないが、販売する方からすると多少気にはなる。
例えば、ジャックダニエルはサントリーが輸入元となっていた時期が長く、私の中ではサントリーが知名度を上げたとの印象がある。それがいつの頃からかアサヒビールがそれを担っていた。メーカーとの販売契約がどうなっているのかは分からないが、サントリーとのそれが切れてアサヒビールになって、アサヒビールのそれが切れたそうだ。
調べてみると有名どころでは、「カティサーク」「カミュ」などの正規代理店にアサヒビールがなっているようだ。しかし、ジャックダニエルの売り上げが無くなったのを埋めるために、この秋に力を入れているのがこれ。
【ブッシュミルズ】
このウイスキー、日本ではまだまだ知名度が低く、スーパーでもなかなか見かけない。そして、スコッチは分かるがアイリッシュなんて聞いたことが無いと言うアイルランドのウイスキー。うちに店には「ブッシュミルズ」「ブッシュミルズブラックブッシュ」「ブッシュミルズシングルモルト10年」「ブッシュミルズシングルモルト12年」とフルラインナップ。
この秋に輸入元のアサヒビールがキャンペーンを仕掛けてきた。飲食店向けなのだが、このウイスキーのハイボールを注文された方にクラッチカードを引かせて、帽子やTシャツ、ステッカーなどが当たるキットを用意している。従来の取引のあるお得意様の中に、このキャンペーンに参加するお店はない。ならばうちの店が頑張るしかない・・・・?
うちの店には小さい飲食スペースがある。勝手に「高級会員制スポーツバー」などと言っている。飲食店の届け出をやっていないので店主の遊び場でしかないのだが、期間を決めて「ブッシュミルズ祭り」を企画している。
このウイスキーの事を語ってみる。
これは、世界五大ウイスキーの一つ、イギリスの西にあるアイルランドのもので、アイリッシュウイスキーと呼ばれているものの中の一つで、これが造られている蒸留所は世界最古だと言われている。1608年に当時のイギリス国王がウイスキーの蒸留を許可したことから始まり、アイリッシュ伝統のポットスティル3回蒸留、アイルランド産ノンピート麦芽100%のモルト原酒にこだわっているそうだ。
一般的なモルトウイスキーは2回の蒸留を行うが、アイリッシュウイスキーの伝統の3回蒸留で原酒を磨き上げているそうだ。原料もアイルランド産の大麦麦芽にこだわり、厳選された最高のシェリー樽で熟成されているそうです。
一番廉価で手が出しやすい「ブッシュミルズ」のレビューをネットから拾ってみた。
《香り立ちは弱めですが軽やかなフルーティーさが感じられます。それほど個性は感じられませんが調和のとれた香りです。口に含んでみると味わいは香りでの印象よりもやや濃く、スムーズでまろやかです》
《香りからはなんのフルーティーさかはわかりませんでしたが、口に含んでみるとかすかに爽やかな柑橘類やリンゴを感じます。柑橘類はレモンから酸味を抜いてもう少しミカンに寄せた感じです。甘すぎずクリーミーで穏やかな飲み口で、余韻にはクリーミーなバニラがかすかに残り数秒で消えていきます》
《圧倒的に今まで飲んできたブレンデッドの中ではモルトのテイストがすごい。バニラというかカスタードみたいな甘い香り。香りは濃厚なんだけどスムースに入ってくる。アルコール感はすこしピリッときますが、それ以上にまろやかで芳醇な香りに支配されているイメージ》
《スムースな飲み口で、飲みやすく美味しいウイスキーです。フルーティな香りに漂う焦げ感と、どこかスパイシーなところがあり飽きません。ホワイトラベルをロックで、少しだけ水を足して飲むのが、自分の定番になりました。》
《ブッシュミルズのソーダ割りが大好物です。モルトの乾燥にピートと言われる泥炭を使用せず、アイルランドの伝統的な3回蒸留で作られているため、非常にライトで軽快な味わいが特長です。ソーダで割れば、ブッシュミルズのフレッシュさに、炭酸の爽快さが相まって、このうえなく爽やかなハイボールとなります。もちろん、アルコール感が比較的に薄いためストレートやロックでも楽しめます。フレッシュなフルーティさと僅かな甘みが心地よい、飽きることのないウイスキーです。》
・・・・などなど。
なじみの薄いアイリシュウイスキーの入門書として最適ではないでしょうか。価格も2,000円を切るお手頃感。これをスタートに「ブラック」→「10年」→「12年」と深みに入ってみませんか。
【頑固で偏屈な酒屋の一言】
性別も年齢も体格も違うのに、血圧130を越えると降圧剤を処方する医者は信用できない。
2024-11-12 09:56:02
お酒の雑学
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