おそらくこの福岡八女でも梅雨が明けそうな気配がしています。梅雨が明けた先がビールの最需要期で、毎日の新聞のチラシには缶ビールの特価が躍っています。
この辺りのスーパーでは、350ml缶1ケースがおよそ税込み4,300円前後ではないでしょうか。チラシに期限のみの特価でしょうが、どうしてこんなに安くできるのでしょうか。どうして、うちに店にある同じ缶ビールと値段が違うのでしょうか。
うちでは、それを近場なら配達もしますし、熨斗掛け包装もします。掛け売りにも対応します。一方のスーパーでは、そのどれにも対応していません。そして何より、その商品に与えられた性格が大きく違います。スーパーにおけるビール(ウイスキーや焼酎なども)の役割は、一般家庭で需要のある缶ビールの価格を、利益率を度外視して安く付けることで来店を促す役目があります。たとえこれで利益を得なくても、その数百倍はある他の商品で利益を取れるからです。
仮に、スーパーが酒類を扱わないとするならば、来店客と言うのは激減するはずです。それほどの商材という事になります。そして、メーカーもその売り場の確保に躍起になって、うちなんかの小売店には絶対来ない「販売奨励金」的な条件が出ています。その応酬で、スーパーも仕入れ価格で販売した粗利に多少利益が上乗せされます。
スーパーで酒のディスカウント販売が盛んになり始めた頃、多くの消費者はスーパーに入る価格とうちに入る価格が同じで、いかにも暴利をむさぼっていると思われていました。そんなことはありません。今でもそうですが、通常の取引で卸店から仕入れる価格より、特売で出されている缶ビールの方が安いのです。ですから、自分の店で売るために、スーパーに缶ビールを仕入れに行く酒販店もありました。うちの場合はそれには当てはまりませんでしたが、そんな現状が今もあります。
ですから、一般小売店は40年ほど前からすると1/3程度になっているのではないでしょうか。卸店も倒産・廃業、それ以外は大手に吸収されてその数も随分減りました。
うちの店も缶ビールは数種類置いてはいますが、家庭用の需要ではなく業務用の需要がほとんどです。
と言うことで、スーパーの価格はお客を呼ぶための商材として、薄利で価格を設定しているから・・・と言うことでよろしいですか?
2024-07-17 17:06:30
商いの話
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